ジャパンメディカルパートナーズが考える対策のポイント

陰圧装置について

新型インフルエンザのパンデミック期には、重症患者が多数発生し治療に必要な人工呼吸器が不足する恐れがあります。万が一に備えた必要台数の確保や、使用環境が目覚しく変化するパンデミック状況下で安心して使える資器材の選択が重要になります。

参考サイト:新型インフルエンザ患者治療における人工呼吸器確保の考え方(厚生労働省)

1.人工呼吸器選択のポイント

パンデミック時には、大量の感染患者が発生し、緊急の治療が必要になる可能性があります。各医療機関における受入れ態勢を考慮し、安全安心かつ迅速に使用できる機器の選択が必要になります。

  • 操作が簡単で安全であること
  • メンテナンスが最小限であること
  • 電気やガスの供給が停止しても、内部と外部バッテリーにより4~6時間の作動が可能であること
  • 広範囲の患者に対して使用可能であること
  • 駆動源(電源・ガス)異常、低圧、高圧、回路外れアラームを有すること
  • 急性呼吸不全の呼吸管理には最低限、1回の換気量・換気回数・吸入気酸素濃度・PEEPの設定が可能であること

※AARC(米国呼吸療法学会)発行「インフルエンザ・パンデミックと大規模災害時の要求に応ずる人工呼吸器獲得のためのガイドライン」(2006年6月5日改定、2008年1月30日改定)より一部抜粋(和訳)

※呼吸不全(低酸素血症)が重篤化した患者に対するより高度な治療には、High PEEP、APRVなどの機能が必要になります。受け入れ患者のレベルに応じたスペックを備えた人工呼吸器を選ぶことが大切です。 また、患者間の交差感染、治療時の医療従事者の感染リスクを考慮し、体外型人工呼吸器の導入も有効です。

参考サイト:「第112回 日本小児科学会学術集会レポート」(アイ・エム・アイ 医療従事者向け情報マガジン イント」

2.使用・運用時の注意

メンテナンスの重要性

点検ポイント

    (駆動源)
  • フィルターの汚れを点検、清掃
  • 本体ガス入力部のウォーターとラップに水が溜まっていないことを確認
  • ガス供給圧力を点検
  • 耐水ホースの接続を確認
  • 酸素と圧縮空気の供給圧差を無くす
  • 吸入酸素濃度を実測し、設定値と一致することを確認
    (本体)
  • 使用前のチェック、定期保守点検(作動確認・点検・調整・消耗品交換など)を実施
  • 設定値(酸素濃度・上限圧・換気量・呼吸回数など)が適正であることを確認、再評価
  • 適切なアラームレベルを設定
  • アラームが「ON」であることを確認
  • 目視、生体情報モニタ(パルスオキシメーター、呼気CO2モニタ、血圧計、心電図)、換気量計や聴診器などにより、患者さんの状態を常に観察
  • フローセンサに水が溜まっていないこと、ネブライザによる薬剤がついていないことを点検
  • 電源コンセントの抜け、取り付け箇所の間違いを点検。コンプレッサとは別電源に切り替える
  • 回路交換や万一の故障、災害に備え、救急蘇生バッグ(アンブバッグ)を準備 
  •        
    (呼吸回路)
  • リークテストを実施
  • 呼吸回路の接続を再確認
  • 患者の顔や手足の色(チアノーゼ)、胸の動き、呼吸音(左右)を観察・聴診
  • 加温加湿器チャンバに破損のないことを点検
  • 気道内圧が適正な範囲に入っていることを点検
  • 呼気換気量が設定値に近似していることを点検
  • 気道内圧測定チューブ中に水がないことを点検
  • ウォータートラップ内の水を排水
  • 吸引時に痰の粘調度を点検
  • 吸入ガス温度が適切であることを測定
  • 加温加湿器チャンバが温かいことを点検
  • 温度計、温度プローブが吸気側に入っていることを確認
  • 感染防止のため、呼吸回路やフィルターを定期交換
  • 人工鼻はメーカーの指定に従い交換
  •     

定期保守点検の実施

機器の添付文書に従い、半年あるいは1年に1度は消耗品のパーツ交換や、機能チェック、清拭などを実施する必要があります。

使用環境を整備

機器の作動停止、作動不良、誤作動などの故障を引き起こす要因になり得る電源、酸素及び圧縮空気、塵埃の状態、周辺の電波などに気をつける必要があります。特に主原因となる電源に関しては、機器の電気規格、仕様を理解しておくことが重要です。

3.メンテナンスの重要性

機器の性能は経時的に劣化します。必要時に新品時と同じ品質や性能を維持するためには、メーカー所定の定期的な保守点検が不可欠です。

医療法・薬事法により人工呼吸器をはじめとした医療機器の保守点検は、医療機関の責務とされています。機器の故障を未然に防ぐため、故障をいち早く検知するには、半年あるいは1年毎に定期点検が必要不可欠であり、さらには臨床現場での使用前、使用中、使用後の点検が必要です。

部品は定期的に交換

フィルターなどの交換部品は定期的に取り替えて下さい。 常時使用しておくことで、交換の目安も明確になります。

医療法改正の中で、安全管理体制の確保(院内感染対策、医薬品の安全使用に係る対策)医療機器の安全使用に関わる対策(保守点検)について、病院等の管理者は以下が定められています。

平成19年厚生労働省令第27号及び28号(平成19年3月26日、官報 号外第62号)及び平成19年厚生労働省令第39号(平成19年3月30日、官報 号外第67号)より

・医療に係る安全管理のための指針を整備すること
・医療に係る安全管理のための委員会を開催すること
・医療機関内における自己報告等の医療に関る安全の確保を目的とした改善のための方策を講ずること

また、医薬品、医療機器については安全使用のための責任者の設置が求められ、さらに医療機器については保守点検に関する計画の策定及び保守点検の適切な実施を求められています。

平成19年厚生労働省令第27号及び28号(平成19年3月26日、官報 号外第62号)   及び平成19年厚生労働省令第39号(平成19年3月30日、官報 号外第67号)より

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